アカデミー神戸進学会講師の藤澤と申します。
今回は、公立高校受験まで半年を切ったこのタイミングで、
あとまわしになりがちな国語の勉強について書いています。
【受験生の皆さん、国語の勉強をしていますか?】
ふだんなかなか手につかない国語。
公立高校受験となると話が少し変わります。
当日の試験は5科目の合計点が勝負なので、
・少しでも国語の点数をとれるようになりたい。 ・高得点を狙える国語の勉強の仕方があれば知りたい。
と考えているのではないでしょうか。
国語の実力をつけたい。
でも、何から勉強したら良いのだろう。
記述問題はどうやって書いたらいい?
解説を読んでもよくわからないし、間違い直しは赤色で答えを写して終わってしまう。
そもそも一人では国語の勉強になかなか手がつかない。
こんな風になっていませんか?
実は、国語の勉強の仕方を身につけることで今からでも実力はつきます。
【国語がなかなかできない理由】
国語の勉強をあとまわしにしてしまう生徒はとても多いです。
その理由は、これまでの経験で、
・何を勉強したらいいか分からない。 ・文法・漢字は覚えればいい、文章読解はできるようになるのに非常に時間がかかる。 ・要約や筆者の考えをまとめる記述問題が難しすぎる、書けない。 ・テストが返ってきて見直しするけれど、正直何がまちがっているのかよくわからない。 ・勉強しても点数が悪かったり、逆に勉強しなくても点数が思ったほど悪くなかったり (あるいは予想より良かったり)するから、勉強する意味がない。 ・しょせん国語は日本語だし、センスや感覚。
といったような感じでしょうか。
これは結局のところ、頭の中で
何をどんなふうに勉強したらいいかはっきりしていなくて、すごくめんどくさい。
みたいになっているのです。
実際、学校のテスト勉強は、
→ 気が重いけれど、学校のワークを開く。
→ 漢字問題はOK。意味調べは国語辞書で調べるか最悪答えをうつせばいい。
→ 接続詞の穴埋め問題と内容に関する選択問題はなんとなくでいける。
→ ぬき出し問題は文章をざっと目をとおして、それっぽい部分が見つかったら、文字数かぞえて埋めちゃえ。
→ 要約や筆者の考えを書く問題(50字とか100字以内だとか)はどういう風に書けばいいかわからないし、書いたところで結局正解しないから、あとで答えを写してしまえ。
みたいになっていませんか。
これでは、暗記すれば解ける問題はできても、いつまでたっても文章読解にかかわる問題を解く力はついてきません。
もちろんこれはひとつの例で、自分なりに身につけた方法でとてもうまく勉強をしている生徒はいます。そういった生徒は学校のテストでいい結果を出しやすいでしょう。
しかし、国語や勉強自体を苦手にしている多くの生徒は、こうやって勉強すればいいという国語の勉強の仕方を知らないのです。
では、実際にどのように国語を勉強すればよいのか。
【現代文がとっつきにくい理由】
現代文を解くために必要な力は、おもに読解力と解答力の2つです。
・読解力 … 出題された文章を読んで、筆者の言いたいことを理解する力
・解答力 … 筆者の言いたいことを理解した上で、実際の問題で正解を選び出す力
この2つの力が非常に重要です。語彙力は読解力に含みます。これらを意識して問題を解くだけでも勉強の質が少し違ってきます。
では、これらをふまえて、なぜ現代文がとっつきにくいのかというと、
・文章を読み進めても、何を言っているのかさっぱりわからない。
→ 漢字が読めていない。言葉の意味を理解していない。(基礎学力)
→ 本文を目で追うだけになっている。戻って読むことをしていない。(読み方、作法)
→ 文と文、段落と段落の関係を読み取る力が弱い。(読解する技術)
・文章の内容はわかるけれど、選択問題で間違ってしまう。
→ 問題文の中に見落としている部分がある。
→ 選択肢を主観で選んでしまっている。
→ それぞれの選択肢が合っているまたは間違っている理由を言えない。
・記述問題が書けない。
→ 何を書けばいいのかを問題文の中から見落としている。
→ 筆者の主張をまとめる場合、筆者の主張が何なのかを見つけられていない。
→ 文章の書き方・まとめ方を知らない。
のような感じになっています。当てはまるものがあれば、そこに現代文がとっつきにくい理由があります。
【現代文の勉強の仕方】
今回は、論説文(説明文)の読み方について取り上げたいと思います。
まず大切にしてほしい考え方として、論説文は筆者が読み手に何かを伝えたい文章なのだ、ということです。
筆者は読み手にわかりやすく伝わるように様々な工夫をしています。
それを逆手にとっていくことで、文章の理解がぐっと早くなります。
それではまず、文章を読んでいくときは、具体的な部分と抽象的な部分を意識して読みましょう。
筆者は、データや事柄(具体的)をもとに、まとめた考え(抽象的)を書いています。
また、筆者が抽象的に描いた部分を、もっと読み手にわかってもらいときは、具体的な説明や経験談などをその部分の前後に書きます。
つまり、具体的な部分と抽象的な部分はセットにされているんです。
これらを分けるようにして読みましょう。ほとんどの文章は、抽象的な部分に筆者の考え(まとめ)が書かれています。
筆者の主張をさらにつかんでいくために、文章の表現の仕方にも注目しましょう。
筆者が読み手にここは大切!と思ってほしい部分は、なんらかのサインが出ています。
「~こそ~である」「~することが必要だ」
「~とは~である」「このようにして~ということがいえる」
こういった表現の仕方が出てきたら、筆者が大切にしている部分だと思ってください。
合わせて、くり返し出てくる言葉や文(キーワード・キーセンテンス)にも注目しましょう。
筆者は自分の考えを読み手にわかりやすく伝えるために、自分の考えに関わる言葉や文をくり返し書きます。
表現が多少違っていても、くり返しの部分だと思う言葉や文には意識を向けましょう。
さて、次は古文です。
【古文がとっつきにくい理由】
よく言われますが、古文は日本語ですが外国語だと思った方がよいです。
つまり、英語と同じく、単語や文法が分からないとなかなか読めないです。
そのことをふまえて、古文の文章は、私たちがふだん触れている文章と異なる部分が2つあります。
・古文特有の単語や文法が出てくる。
・主語(~が)や目的語(~を、~に対して)などの要素がよく省略される。
これを生徒目線におきかえると、
・古文特有の単語や文法がわからない。
・省略されている要素がわからない。
となります。
以上の2つが、古文が読めない大きな原因です。
古文では、文脈を読み誤り、間違った解答を選ぶというケースがたびたび起こります。
その結果、得点が取れない、得点が安定しないということにつながります。
そもそも、古文が読めないケースです。
そして英語と違って、中学校では単語や文法をしっかり勉強することはありません。
(古文単語・文法を体系的に勉強するのは高校生になってからです。)
古文を読めて得点を取れるようにするためには、
・古文特有の単語や文法の知識を身につける。
・省略されている要素を補いながら読解する。
この2つがとても大切だと心得てください。
【古文の勉強の仕方】
では、古文の勉強の仕方についてです。
・文章を1文ずつ正しく現代語に訳していく。
この勉強で意識して欲しいことは、正しく訳すとは、単語・文法に忠実に訳すということです。
文脈の読み誤りは、「なんとなく」「さらっと」読み流してしまうことから起こります。
せっかく読んでも、わかった気になって終わってしまいます。
この方法のポイントは、単語・文法の知識を正しく用いる、というところにあります。
大切なことは、どんな文章を読むことになっても用いることができる訳し方を身につけることです。
古文がすごく苦手で現代語訳が難しいと感じる生徒は、
まずは「て、に、を、は」などの助詞を書き込むことに意識を向けましょう。
助詞を書き込めるようになるだけでもずいぶんと読みやすくなります。
・現代語訳した文に、書かれていない要素を書き込んでいく。
文章を読むときに、脳は書かれていない要素を無意識におぎなってイメージしようと働きます。
難しく感じる文章ほど、補うべき要素が抜けていることが多いです。
この勉強の仕方では、主語・目的語(書かれていなければ動詞)が何なのかを考えることに意識を向けさせます。
基本的には文章中にすでに登場している人やものごとが要素にあたるので、直前の文章から見つけて当てはめていきます。
これらの勉強を続けることで、古文の内容がより鮮明になり、理解度がぐっと増します。
さて、次は漢文です。
【漢文がとっつきにくい理由】
漢文とは、昔の中国で書かれた文章です。有名なのは孔子の論語や、老子ですね。
漢文の問題に登場する文は大きく分けて以下の4つになります。
・白文 … 漢字だけの文 ・訓読文 … 白文に送り仮名と返り点が書き込まれた文 ・書き下し文 … 訓読文を送り仮名と返り点にしたがって書き表した文 ・現代語訳
公立高校入試の問題では、
訓読文+書き下し文のケース
訓読文+書き下し文+解説文のケース
がほとんどです。
さて、漢文を苦手とする生徒は
・返り点の知識が身についていない、正しく返り点を書き込めない。
・訓読文を書き下し文に直せない、あるいはスピードが遅い。
といったケースに陥っています。
漢文を読んで得点を取れるようにするためには、
・返り点の知識を身につけ、正しく返り点を書き込めるようにする。
・訓読文をスラスラと書き下し文に直せるようにする。
この2つが最優先となります。
【漢文の勉強の仕方】
まずは、白文→訓読文→書き下し文 の順にスムーズに書き直せるようになりましょう。
段階として
・書き下し文を繰り返し音読する。(スラスラ読めるようになるまで)
・訓読文を繰り返し音読する。(書き下し文を見ないで)
最初は書き下し文を見てもよいですが、訓読文だけで読めるようになることを目標にしましょう。
少しずつ書き下し文を見ないようにし、書き下し文を見なくても訓読文だけで読めるようになれば合格です。
・白文に返り点を書き込む。
大切なのは、返り点の位置を思い出そうとしないことです。
「書き下し文の通りに読む」ためには、
どの返り点をどこに打てばよいかを考えながら書き込んでください。
中学3年生を対象に、「公立高校受験国語講座」を10月5日(土)より開講します。 この記事で取り上げた内容のほかにも、さまざまなエッセンスを盛り込んだ講座内容ですので、 ご興味のある方は、当会までぜひご連絡ください。