英単語を覚えるのが苦手な人の3つの特徴

今回紹介する学習法は「英単語を覚えるのが苦手な人」に向けた学習法です。

英単語を覚えるのが苦手な人には共通点があります。

それは

・英単語の読み方を意識していない

・読み方から綴り(つづり)が想像できない

・英単語学習に30分以上の時間をかけている

です。

自分に当てはまる! と思った方は以下に紹介する学習法が効き目アリだと思います。

手順の下にはメカニズムも解説しています。塾生にはいつも言っていますが、教えられたやり方にただ従うだけでは効果が薄くなってしまいますし、そもそも勉強の一番の目的である「自分で考える力を身につけること」から遠ざかってしまいます。

面倒でもメカニズムをちゃんと把握して、自分なりにアレンジしてもらえれば効果が大きくなります。

手順

① 下のような単語リストをつくります

※音は教科書や単語帳の発音記号も参考にして下さい

 英語を見て「音」と「日本語」を言う練習をします

順番は必ず守ること。音→日本語の順番です!
即答できるまで繰り返すこと!

③ 日本語を見て「音」を言う練習をします

即答できるまで繰り返すこと!

④ 日本語を見て「音」を言ったあと、それを英語で書いてみましょう

音から綴りを想像することが大切です!

⑤ リストを見て自分が書いた綴りと比べましょう

 

【目安時間】

中学生:15分で10~20単語
高校生:15分で20~30単語
※英単語は一回の学習をできるだけ15分以内にしましょう。英単語のような単調な暗記作業は長時間続けると効果が落ちてしまいます。
※ハイペースで学習したい人は1回15分程度の学習を朝・昼・夕方・夜など場面を分けて何回か行うようにしてペースを上げて下さい。

【メカニズム その1-処理水準効果】

処理水準効果とは何かを記憶する際に、頭の中でより深い処理をした方が記憶効果が高くなることです。

例えば import(輸入する)という英単語を記憶するとしましょう。

この時に「import」と見た目だけに意識を払って記憶することを形態処理と言います。
「i→イ m→ン por→ポー t→ト」と読み方に意識を払って記憶することを音韻処理と言います。
「im→内側に port→港」から「港の内側に→輸入する」と単語の意味内容に意識を払って記憶することを意味処理と言います。

実験により、形態処理より音韻処理の方が、音韻処理より意味処理の方が記憶効果が高いことが知られています。これが処理水準効果です。この理論では意味処理を行うのが理想的なのですが、意味処理は少し難易度が高く、一人で学習するのにはなかなか向きません。
ですから上に挙げた英単語の覚え方は音韻処理を行うための手順になっています。

よく英単語を覚える時に

10回書いて覚える

という学習法をする人がいます。学校の宿題として未だに出されたりするので経験したことがある人も多いのではないでしょうか。経験した人ならわかると思いますが、この「10回書き」をやっていると6回目ぐらいから頭が止まってきて形態処理をしてしまっていると思います。もちろんこれは意識の問題なので、10回とも意識を高く保って(音韻処理意味処理をしながら)練習できる人もいるのかもしれません。ただ個人的にこのやり方は形態処理になりがちなのでオススメはしません。

そこで今回紹介したやり方です。あくまで「音」を主体に記憶することで強制的に音韻処理をするようにデザインしたトレーニングです。まずは音韻処理を確実にクセづけることが英単語学習の第一歩です。このやり方で基本単語をどんどん覚えて下さい。ある程度の単語力がつけば次の意味処理を使ったトレーニングに移行します。

個人差はありますが、基本的に人間は「形より音の方が記憶しやすい」ということを覚えておいてください。

【メカニズム その2-音から綴りを導く】

このトレーニングのもう一つのポイントは「音から綴りを導く」という要素が入っていることです。皆さんは日本語であれば「聞いた音を文字で書く」ということは簡単にできるはずです。しかし英語になると「聞いた音を文字で書く」ということは途端に難しく感じるのではないでしょうか。

日本語では聞いた音を文字にできる
英語では聞いた音を文字にできない

これが重要な違いです。この違いが英単語の学習効果に大きな影響を与えています。
英語が得意な人は実は音さえ聞けば「どうやって綴るか」は割と当てることができます。
僕は百発百中とはいきませんが、それでも9割ぐらいは当たります。
この「音から綴りを導く力」を持っていれば、音さえ覚えてしまえば綴りを覚える必要がほとんどなくなるため、英単語の学習速度が飛躍的に上がります。
この「音から綴りを導く力」はフォニックスというものを学習すれば体系的に学ぶこともできますので、興味のある人は調べてみて下さい。
ただフォニックスほどしっかり学習しなくても、英単語を学習するときに音から綴りを想像して書く練習をしばらく続ければ、この力は十分につけることができます。
そのためのポイントとして英単語学習のときは

・あまり綴りを覚えようと意識しすぎない
・英語を書く練習をするとき(手順④のとき)は音を手掛かりに「こう読むなら、こんな感じで書けばいいかな…?」と想像しながら書く
・自分が書いたものと正しい綴りを比較して「こう読みたければこう書けばよいのか」というルールを体得する

これらを守るようにしましょう。

【メカニズム その3-自動化】

このトレーニングでは手順②③で即答できるまで繰り返すことを義務づけているところもポイントです。
(詳しくは 学習したことは自動化せよ を読んで下さい)

近年の入試では長文問題(読解問題)の比率が高くなってきています。つまり英単語は読解のために学習しているという面が強くなっています。
実際に読解をしている時には

・今目にしている英文の構造(構文)
・英文全体を通しての話の流れ(文脈)

を考えることが大切になります。そうすると
「この単語の意味なんだったっけ??見たことあるよな、確か。えーっと…」
こんな感じで英単語の意味を思い出すことに脳のメモリを使ってしまうと、肝心の文構造や文脈に対する意識が薄れてしまい、読んでいるうちに話の筋がわからなくなってきてしまいます。
読解で使うことを考えると英単語はほぼコスト0で使えることが望ましい。
だからトレーニングの段階から即答することを義務づけて、英単語の意味を取り出す作業を脳の中で自動化してしまうことが重要になります。