この記事は
「中小企業診断士の勉強やってみた」の第3回
その中の
企業経営理論の第3回
です。

(この連載の主旨はこちらをご覧ください。)

前回までのまとめ

前回の記事がとんでもなく長くなってしまったので、反省して今回から短めに。
企業経営理論の第1・2回の内容をまとめると

第1回:全体像を確認する

参考書の目次(ときには本文)を見ながら、内容を把握する。
この時に知識の階層化を意識して、できるだけ整理された状態で各項目を把握する。

第2回:過去問を分析する

過去問を解いてみて、何をどんな向きで記憶しておくべきかを確認。
誤答選択肢のつくり方も観察する。
知らない言葉も積極的に推測して、全力で考えながら解く。

という感じです。今回は過去問を何問か解いてみて分析したことを整理し、自分の既有の知識量や思考力と照らし合わせて効果的な学習法を検討していく回になります。

このくだりは実際には過去問を解いて分析する作業と同時並行で行ったのですが、わかりやすさのために記事としては分けることにしました。

過去問から学んだこと

前回解説した要領で全部で8問の問題を分析してみました。
その結果わかったことが

  1. なんかノリでいける問題が結構ある
  2. 言葉の意味がわかれば解ける問題が多い(用語⇒内容 という想起の向き)
  3. 言葉の意味はだいたいでいける(弱い記憶で良い)
  4. 3では無理な問題もあるが、多くはない。

1については僕が一応経営者で、自称教養人であるということが有利に働いた部分もあります。普段から知らない言葉は推測する習慣があることと、ビジネス系のニュースやコラムは毎日見て、わからない言葉は必ず調べるようにしているので、既に持っている知識や推測力がわりと通用したという感じです。

2,3は前回記事にした内容です。意味不明な方は前回の記事(長い!)を頑張って読んで下さい。すいません…。

4も前回記事にした「いじわる選択肢」みたいなヤツです。8問しか解きませんでしたが、そこまで意地悪な誤答選択肢が出たのは紹介した1問だけでした。

学習法の検討① 過去問で勉強できるならそれがベスト

では、分析したことを踏まえて学習法を検討します。
どうやら企業経営理論という科目は試験問題の性質上

  • 用語を見て意味を連想する力をつける
  • 意味はだいたいで良い(定義を一言一句覚える必要はない)
  • ただし、理解しておく必要はある(別の表現をされても正しく判断できる必要がある)

ということになるみたいです(多分)。

で、ここからそもそも論ですが、試験勉強というのは過去問を使って勉強できればそれに越したことはありません

スポーツで考えてみればわかりやすいですが、例えばサッカーの試合だけしてサッカーが上手くなるのであれば、それが最高です。なぜならキック練習ではドリブルは上手くなりませんし、パス練習でディフェンスは上手くなりませんが、試合には全て含まれているからです。キックもドリブルも、攻撃も守備も、思考や判断も。
本番で結果を出したいのだから、本番に近いシチュエーションで練習した方が良いに決まってます。

勉強も同じで、本番に近い過去問を使って勉強が成立するのであれば、それが最高です。
本番で要求されるような知識・理解・思考が本番で要求されるような形で学習できるわけですから。
ただし注意点が2つあります。

①そもそも成立するのか?

あまりに知識量や思考力が足りていない場合は、そもそも過去問を解いても学習は成立しません。
その問題が要求している知識や思考も見抜けないですし、
解説を見ても「なんのこっちゃ…?」ってなって終わりです。

②カバー率はどれくらいか?

例えば企業経営理論という科目で必要な知識量を100とした時に、過去問1年分で出題されている知識はどれくらいでしょうか?
当たり前ですが、100の知識を1年分の問題で全て問うことはできません。ごく一部のはずです。

もしそれを「5」とし、過去問以外でのインプットはしないと仮定したら、必要な知識量を全てカバーするのに20年分の過去問を勉強しなければいけないことになります。これはさすがに非現実的です。

ですがもし一年分の出題範囲が「40」ぐらいあったり、あるいは「全体の知識量は100だけど、その中で出題されるものは毎年ほぼ固定されている」みたいな試験の性質であれば数年分の過去問で学習すれば十分ということになります。

学習法の検討② 学習法は自分で模索するもの

これら2つの注意点を踏まえて、僕はひとまず

  • 過去問を使って学習する
  • とりあえず知らないなりに全力で解く
  • 1問解くごとに出てきた用語を理解して覚える
  • 1年分解き終えたら、参考書と見比べてカバー率をチェックする

まぁ結論としては過去問を使って勉強するということなんですが、ここに至るまでの思考プロセスに重要なポイントが詰まっています。

というのも、未知の科目に対していきなり過去問を使って勉強するというのは、僕が自分自身の既有知識・記憶力・理解力・思考力と過去問で得た情報や感触を照らし合わせて出した結論であって、これが万人にとってベストというわけではないからです。

大事なのは最終的にどんな学習法を選んだかというよりも、その過程で自分自身のことや試験のことをよく分析し、思考したということ。
実際に僕は学習初日はこのような全体像の把握・試験の分析・学習法の思案だけで終了しました。
それぐらい時間とエネルギーをかけているというところに注目して下さい。

このように、学習法というのはマニュアルとして教えてもらうようなものではなく、自分で模索するものです。自分で模索するからこそ、学習中も正しい意識で進めることができ、結果として効果が高くなります。
その様子は、次回以降の記事でお届けしたいと思います。