今回は小学生向けの計算トレーニングツールを作ったので、そのご紹介です。

こんなヤツです。うちの大学生アシスタントに作ってもらいました。

それぞれの項目に対応する計算プリントがあって、その目標タイムが書かれています。
目標タイムは水色から順に厳しくなり、が最難関。
クリアできたらスタンプを押します。

小学生には基礎力を

ウチの小学生コースのコンセプトは
中学に入って勉強が成立するぐらいの基礎力をつけること
です。

特に
・計算力
・読解力(文字から内容を想像する力)
・思考力(知らない問題を自分で考えてみる力)

ですね。

今回つくったスタンプ帳も、とりあえず水色のレベルまでいけば中学で困ることはないかなってレベル。
まずはここを目指してやって欲しい。
そして、緑は僕のタイム。僕に勝ちたければ緑を目指してください。僕に勝てれば大学受験まで含めて計算力で損することはないでしょうね。

なぜスピードを鍛えるべきなのか?

普段、小学生や中学生の勉強を見ていると
勉強=解けない問題をやること
と思っているように見受けられます。

「学校で〇〇を習った。でもできなかった。だからそれをやりたい」

みたいな。
でも、実は勉強においてはできる問題の種類を増やすことよりも、少ない範囲の問題がめちゃくちゃ速くできることの方が価値が高かったりします。

例えばできる問題が10種類あるけど、どれも時間がかかる生徒と
できる問題は3種類しかないけど、めちゃくちゃ速いって生徒がいたら指導者として伸びしろを感じるのは後者です。

これには理由が2つあります。

一つは、小学校で習うことの中で、中学以降でも引き続き使うものは実はあまり多くないから。
今回の計算スタンプ帳は全部で24種類の計算プリントです。
6年間で24種類。たったこれだけ。

もう一つは、小学校での勉強は学力というよりも発達の影響を強く受けがちだからです。
例えば速さ・面積・分数…etc。
このような抽象概念は発達の具合によって学校で習うタイミングでは生徒たちの受け入れ準備ができていないことも少なくありません。

ここはすごく重要で、発達が追いついていなければ、本質的な理解はその時には望めません。
でも、先にお話した通り
「学校で習った=今解けなきゃいけない」
という思い込みが強すぎると、無理やり解こうとします。

結果として、理解の全く伴わないただの公式暗記に走ることになります。
一時的に、緊急避難として公式暗記をすること自体はそこまで悪くないのですが、あまりにもその状態が長く続くと生徒たちには

「算数(数学)の勉強とはこういうものだ」

という固定観念が形成されてしまいます。
分速200mがどれくらいの速さなのか?
20㎡はどれくらいの広さなのか?
3/4はどれくらいの大きさなのか?

そんなことは全く気にも留めず、ただ「解法」に数字を流し込んで、正解したからOK。
このような学習観が形成されてしまうことによるハンデの方が大きいぐらいです。

今回のスタンプ帳の内容を24種類に絞り込んだのは、これらの抽象概念は中学校で学び直しても十分に間に合うからです。この時には脳の発達が追いついていることも多く、ちゃんと理解を伴った学びになる確率が上がります。
下手に答え当てゲームをやって、その代償として間違った学習観が形成されるよりは、計算力に振り切ってとにかく処理能力を高めてしまった方が後を考えると得だと思います。

中学生もやってみて

さっきから小学生の話ばかりしていますが、中学生がこれを活用するのもアリ。
ということで、今週から学習状況をみつつ中学生にも押しつけていってます(笑)

中学生でも苦手なものは全然クリアできません。

板宿では昔は飛松中で「飛松検定」という名で計算テストのようなものが実施されていたと思うのですが、今はそのような基礎力訓練の機会はめっきり減ってしまいました。

塾に来た時の10~15分ぐらいを使って計算の基礎練をするのも、特に数学が苦手な人にはすごく有効なので試してみて下さい。

スピードが重要な理由 その2

ここからはおまけなんですが、僕は今の時代だからこそ計算スピードの重要性は上がっていると思います。

理由はSNS(あとAI)。

こいつのせいで、僕たちは辛抱が効かない体になっている気がします。

インスタントな情報がものの5分で、場合によっては15秒程度のショート動画で手に入る。
もったいつけた前振りや演出はない、「真相はCMの後!」とか言わない、ましてや続きを来週の放送まで待つなんて信じられないという世代も出てきています。
そういった情報を浴び続けていると、ほんの少しの辛抱をする力がどんどん失われていっているように感じます。

これは指導者として今どきの生徒たちを見てて思うこと、なんて偉そうな話ではなく、そもそも僕自身に起こっている変化です。

もちろん、だからこそ辛抱強くひとつの難問を考え抜く力も鍛えるべきですが、大きな流れとして情報の簡素化・短縮化が起こっているという背景を考えると、それに合わせて処理速度を高めておくのは有効な気がします。

計算が遅いと大変です。
「提出用のワークを1ページ進める」
というだけの作業ですら、ものすごく面倒くさく感じる。

文章題を頑張って読み解いて立式しても、その先に待っているのは計算です。

このコスト感は
勉強を始めようとする気持ち
問題を考えてみようという気持ち
思いついた解法を試してみようという気持ち
をくじきます。

計算に対する心理的負荷をできるだけ軽くするためにも、計算速度の向上は大切です。

僕としては服屋さんで5000円の服が30%引きで売られている時に
「あぁ、3500円か」
というぐらいは頭のコスト0で計算できて欲しい。

たかが計算と思うかもしれませんが、スポーツ選手にとってのフィジカルトレーニングぐらい重要な位置づけです。

とりあえずスタンプ帳にある24種類の計算は、僕に勝つぐらいの気持ちで取り組んでみて下さい。