自己肯定感は非認知能力の中でも基盤と言える最も重要な要素です。

今回はポイントを絞って
・自己肯定感とは?
・心理的安全性
・他者承認と自己承認
・自己肯定感の高め方

の4つをかいつまんで解説します。

自己肯定感とは?

自己肯定感ってSNSとかでよく見かける言葉ですが、ちょっと名前だけが先行してしまって誤解されて使われている節があります。
似た言葉として「自己効力感」や「自信」という言葉があるので、それらとの対比で見ていきましょう。

自己肯定感:「居場所がある感じ」とでも言いましょうか。「自分はこの世界に生きていて良いんだ」と思える感覚のことを言います。何ができるとかできないとか、能力には関係ありません。本来子どもとは生まれてきただけでスペシャルなものだし、生きているだけで祝福されているはずです。

自己効力感「やったらできそうな感じ」です。今できるのか?は関係ありません。努力すればできるようになるだろうという感覚のことです。これも大切な非認知能力のひとつで、次回テーマにします。

これに対して一般的に語られる「自信」というのはおそらく

自信「今、やったらできそうな感じ」

です。

重要度で言えば

自己肯定感 >> 自己効力感 >>>>> 自信

という感じです。

過去にこちらのnoteの記事でも書いていますので、お暇な方はご参照を。

心理的安全性

自己肯定感を育む上で最も大切なのが心理的安全性です。

これは、家や学校・職場・クラブなど、自分がいる場所やコミュニティが自分を傷つけないということ。

もっと言えば、自分の考えや気持ちを安心して発信できる場が心理的安全性が確保された場だと言えます。

「勉強」という面で考えてみると

「勉強なんてしたくない」
「テストなんてどうでもいいじゃないか」

みたいな気持ちも安心して発信できる環境が大切です。
こういう気持ちになること自体は否定されるようなことではありません。
むしろ大人の方も昔は感じていたことではないでしょうか?

気持ち自体は否定せず、温かく受け止めた上で

「でも将来必要っぽいけど、どうする?」

ということを話し合っていけることが大切です。

他者承認と自己承認

自己肯定感を高める上では「承認」が大切です。

よく「承認欲求」という言葉を聞くと思いますが、これは人間なら当然の感情で、承認欲求自体は悪いものでも何でもありません。

ここで重要になるのが他者承認と自己承認です。

他者承認とは親も含めた他者から与えられる承認のこと。
年齢が若いほどこれが重要で、特に親から「無条件の承認」を得られていると自己肯定感がすごく安定するそうです。

一方で、他者承認とは結局他人から与えられるものであり、自分でコントロールすることができません
自己肯定感が下がってきていて、自分が承認を求めているタイミングで都合よく得られるわけではないです。

だからある程度の年齢以降は自己承認が大切になります。

自己承認とは、自分で自分自身を認めてあげられること。
自分で自分の価値を認めることです。

これが自己肯定感を高く保つ上でものすごく大事なスキルになります。

自己肯定感の高め方

ここまでのことを踏まえて、自己肯定感の高め方を整理しておきましょう。

・そもそも下げない

高め方以前にそもそも下げないのが大事。
心理的安全性を確保しましょう。
そのために家族や友人のサポートも重要になります。
素直な気持ちや失敗を一度は許容し、その上で対応を一緒に考えていく関係性です。
また、いたずらに心理的安全性を破壊してくる人や、コミュニティからは距離を置いてしまうのも方法です。

・無条件の承認

親からの無条件の承認が自己肯定感の基盤になります。
「無条件の」がポイントで、

「何かができたからすごい」
(テストで良い点を取ったとか、スポーツで成功したとか)

という言い方ではありません。その言い方だと

「その能力を失えば、自分には価値がなくなる」

と思い込んでしまいます。
上手くいっている時は良いですが、進学校に入るとか強いクラブに入るとかで周囲のレベルが上がり、置いていかれてしまった時にものすごく大きなダメージを受けてしまいます。

「褒める」とは別の、何気ない日常の中でのコミュニケーションや愛情表現が自己肯定感を育みます。

・自己承認をクセづける

本人が自己承認のクセをつけるのも大切です。
簡単に言えば自分を褒めるクセということです。

ものすごく些細なことでOKです。

「今日はいつもより早く起きれた」
「少しだけでも勉強を頑張った」
「授業を集中して聞いた」
「部活を頑張った」

なんでも良いです。

大事なのは自分の良いところに目を向けるクセをつけること。

「自分もなかなかよくやっているじゃないか」

と思えるようになることです。

これをスキルとして身につけておけば、社会に出てからも環境に適応して柔軟に生きていくことができます。

今回は非認知能力の中でも最重要の自己肯定感についてまとめてみました!

次回はウチが最も得意としている自己効力感について整理します。