PDCAとは
計画→実行→評価→改善
の略で、元々はビジネスにおける業務改善の手法です。

このPDCAをサイクルとして回していくことで勉強の質を高めていくことができます。

今回はPDCAの中でも計画のポイントを解説します。
計画のポイントは全部で6つあります。

・目標の立て方
・課題分析
・自己分析
・優先順位
・学習メニュー
・スケジューリング

既に
目標の立て方
課題分析

については詳しく説明したので、次は自己分析について解説していきます。

自己分析とは

自己分析は前回やった課題分析とセットです。

課題分析というのはざっくり言えば
「テストに何が出るの?」
ということ。

実際の学習戦略ではいわゆる「この単元は捨てる」ということも選択しなければいけない時があります。
それでも、勉強するかしないかは置いといて、とりあえずテスト範囲全体でどれだけの学習項目があるのかを把握するのが課題分析の段階です。

そこに自己分析、つまり
「それぞれの単元を自分はどれくらいできるのか?」
を追加していきます。

これはカッコいい言葉でメタ認知と呼ぶこともあります。
自分の学習状態について自分で把握することをメタ認知と言って、この能力が学校の成績や受験の合否に大きく関わるということはもはや教育の世界では常識に近いです。

初心者は4段階から

上級者向けの細かい技術は後で紹介しますが、ざっくりであれば自己分析は結構簡単です。

こんな感じで課題分析で挙げた各項目について

◎…絶対できる
〇…多分できる
△…多分できない
×…絶対できない

という4つの記号を振っていくだけ。
これは初心者向けの荒っぽいやり方ではありますが、やるかやらないかは大違いです。

多くの生徒が誤解していますが、自分の状態はまず自分が一番に把握していなければいけません

学校や塾の先生、あるいは模試の結果などに自分の弱点を教えてもらってそこを勉強しようという姿勢では残念ながら勉強はできるようになりません。

他者の評価、試験の結果などはあくまで参考資料です。
基準は自分が持たなければいけないし、自分で自分を把握する精度を上げていくことが上手に勉強する一番のポイントです。

まずは上に書いた4段階の区分から始めてみましょう!

自己分析を深める3つのポイント

自己分析に慣れてきたら、より精度を上げていきます。
とはいえ

「自己分析の精度を上げなさい」

と指示されたところで困りますよね。

「できるならやってるよ」
って話なので。

なのでここでポイントを3つ紹介します。

・再現性
・網羅性
・応用性

です。この3つは合言葉として覚えてしまいましょう。
再現性・網羅性・応用性。

こうやって言語化できる人はいないと思いますが、勉強が上手な人は感覚的にやっていることです。

課題分析で挙げたそれぞれの単元について、上の3つのポイントで自分の力を評価していきます。

再現性

再現性とは、勉強した内容を再現できるかどうか、つまり

・自力で解けるか?
・記憶があいまいな箇所はないか?
・ミスが頻発したりしないか?

といったこと。
勉強の完成度と言い換えてもいいでしょう。

網羅性

網羅性とはその単元の知識全体のどれくらいを自分がカバーできているかということ。

例えば数学の確率という単元に全部で40問あったとしたら、そのうち何問を解けるだろうか?
という視点です。

他にも
・英単語100個中の何個言えるか
・歴史のテスト範囲の用語の何%をカバーできているか

なども網羅性です。
目の前の一問一問に必死な生徒ほど、この網羅性という観点が抜けがちになるので注意。

ちなみに課題分析の際に
全体像を把握することが重要
ということをやたら強調したのはこのためでもあります。

勉強が上手い人は試験の全体像と、自分がそれに対してどれくらいのカバーできているのかを正確に把握できています。
繰り返しますが、これを人任せはダメです。
必ず自分で把握しなければいけません。

応用性

応用性とは勉強した内容をどれだけ応用されても大丈夫かという視点です。

例えば数学であれば、形式はそのままに数字だけ入れ替えられた問題なら対応は簡単ですね。
でも問い方を変えられたりすると、学習した内容を自分でアレンジして対応しなければいけなくなります。

英文法の問題でも、テキストの問題をそのまま出されたら、極端な話答えだけ覚えておけば正答できます。
でも、同じ文法知識を使うけど英文も選択肢も全く別という問題であれば、自分で応用しなければいけない幅が大きくなります。

このように
どこまで問題を変化させられても対応できるか?
という視点が応用性

もちろん応用するには
本質を理解しておくこと
が必須なので、各単元の理解度と言い換えることもできます。

自己分析までが計画の肝

計画のポイントは6つあると冒頭で紹介していますが、ぶっちゃけ
・目標の立て方
・課題分析
・自己分析

までが完璧であればもう計画段階は終わったようなものです。

そしてここまでの流れは大学に入っても、社会人になっても、何かを効率的に勉強しようと思うならすべてに共通するものです。
僕は今社会人の資格試験の勉強サポートなども行っていますが、正しい学習の技術を身につけているかどうかで勉強にかけるコスト(お金と時間)が倍以上違います。
お金はまぁ頑張ってどうにかするとしても、時間は人生において有限です。

だからこそ、学生のうちに正しい学習技術を身につけておくことは一生の財産になります。

改めてここまでの記事を読み返して、自分の勉強に活かして下さいね。