この記事は
「中小企業診断士の勉強やってみた」の第6回
その中の
経済学の第1回
です。

(この連載の主旨はこちらをご覧ください。)

理解か記憶か

記事としては企業経営理論を先に書いてしまいましたが、実は経済学の方先に勉強し始めました

勉強というのは、その科目の性質を「理解か暗記か」で分けるとやりやすくなります。

といっても暗記するために理解は必要だし、理解したことを忘れてしまっては無意味なので理解も記憶です。だから正確には

・学習する項目数は少ないが、難しい理論や概念を理解して使いこなす必要がある科目

・一つひとつを理解することは簡単だが、項目数が多い科目

という分け方になります。
ただ面倒なので前者を理解科目、後者を暗記科目と呼ぶことも多いです。

ちなみに大学受験だと前者は数学や物理、後者は生物や歴史系科目が代表例です。
(化学・地理など、2つの性質の中間ぐらいの位置づけの科目もあります)

今回僕が受けることにした
・経済学
・企業経営理論
・運営管理

という3つの科目の中では経済学がぶっちぎって理解科目の性質が強いです。

そして、一般的には理解科目を先に勉強し始め、暗記科目を後に回すことが推奨されることが多いです。

これは「理解したことは忘れにくい」という性質から、先に理解科目を勉強してもあまり忘れないが、暗記科目を先に勉強すると試験日までに忘れてしまう率が高い
と説明されることが多いのですが、これはあまり正確ではないと思います。

質の高い勉強をする人なら暗記科目だって深い理解を伴うものだし、理解科目だってさすがに復習しないと忘れてしまうものです。理解と記憶はセットです。

理解科目を先に勉強すべき本当の理由は

復習にかかる時間が、項目数が少ない理解科目の方が短くて済むから

です。

人間は記憶同士を結び付けて覚えていて、ある記憶を思い出すと、それと繋がった記憶もセットで連想します。
「夏」という言葉を見ると、セットで「海」や「太陽」「暑い」「盆休み」みたいな言葉が連想されるのと同じです。
(これは記憶の活性化拡散モデルという考え方です)

これに基づいて考えると、

理解科目というのは、でっかい記憶のグループがいくつかあるイメージ
暗記科目というのは、小さな記憶のグループがたくさんあるイメージ

です。
そして同じグループの記憶は1回の学習でセットで連想されるので、グループ数が少ない理解科目の方が復習にかかる時間が少なくて済むという理屈です。

なんでこんな面倒な理屈をわざわざ説明しているのかというと、これが学習法に関わってくるからです。

上のことを理解していれば、理解科目を勉強する時に

1問ずつ問題の解法をバラバラに覚える

が不適切だとわかると思います。でっかい記憶のグループを作れることが理解科目のメリットなのに、問題単位でバラバラに勉強してしまってはメリットが活かせません。

1つの理論を深く理解し、複数の問題をできるだけ同じ考え方で解く

ように勉強することで始めて理解科目のメリットを活かすことができます。

ということで、1科目目は経済学。
そして、ちゃんと理論を理解して、それに基づいて問題を解く勉強を目指していくことになります。