今回は塾生のノートから中学数学の学習を紹介します。

こちらです。
青ペンで書いてあるところが今回のポイントです。

問題を解くだけでは成長しない

たまに「問題を解く」ことが勉強だと思っている生徒がいます。
「問題を解く」が筋トレとか、ゲームでモンスターを倒して経験値を得る行為に重なっているのかもしれません。

ですが、残念ながら問題を解くという行為ではほとんど学力はつきません。

解いた後が全て

本当の意味で「学習」が起こるのは問題を解いた後です。

・どこを見て、何を発想すればこの問題は解けたのか?

問題を解いた後に、これを考える時間が重要です。

これは簡単なようで深い問いで
・自分はどこまでのことがわかっていたのか?
という自己分析の要素と

・この問題は何を要求する問題だったのか?
という課題分析の要素が混ざっています。

「解き終わったから、さぁ、次!」
と進めていきたい気持ちを抑えて、解き終わった問題と、それを解いていた時の自分自身としっかり向き合う。その時間とエネルギーが学力を育んでいきます。

ちなみに専門用語でこれを教訓帰納といいます。

感覚的にわかったことを言語化する

このノートを提供してくれた生徒は通塾して9ヵ月ぐらいで教訓帰納がものすごく上手くなりました

もともと数学センスがあるタイプだったので、僕が(あるいは解説書が)模範解答を示せば

「あぁ、こういう感じか」

と、感覚的にインプットすることはできていました。
この時は教訓帰納にかける時間はほぼゼロです。

しかし、この感覚的なインプットは
・記憶が定着しにくい
・他の問題に応用しにくい
・難易度が上がると通用しなくなる

といった弱点があります。

それを防ぐためには
・感覚的にわかったことを、じっくり言語化する
という過程が必要です。

それをやったのがノートの青ペンの箇所です。

専門的なことは数学をやっていないとわからないかもしれません。
でも一目で簡潔に、わかりやすく整理されていることは見て取れると思います。

ちなみに僕が解説したんですが、その時の紙が

これです(笑)
本当にこれで全部です。
あとは口頭です。

この生徒はが書いたことを模写したのではなく、自分の中の感覚的な理解を手がかりに

「どういう言葉(図)にすれば、自分の中にある、この理解の感覚を言語化できるだろうか?」

を一生懸命考え、このノートをつくりました。

まずこの思考の過程によって記憶は定着しやすい、強固なものになります。

そしてこのまとめは数学でめちゃめちゃ重要な

「どういう時に、この知識を使うのか?」

についてもよく考えられています。
(これは僕が教えたワケではなく、この生徒が元々持っていた着眼点です)

これを考えられているので、他の問題・難しい問題の時でも発想しやすい知識に加工されています。

そして何より、人から与えられた言葉をそのまま記憶しているのではなく、自分で考えた言葉で整理しているので、使いこなせる知識としてインプットされていくわけです。

まとめ

本当はこのノートには他にも素晴らしいポイントがあるんですが、テーマがブレるので割愛します。

数学を勉強する人に覚えておいて欲しいポイントを整理しておきます。

・問題を解くだけでは成長しない
・問題を解いた後の教訓帰納が大事
・どこを見て、何を発想すれば解けたのか?を言語化する
・できるだけ自分の言葉で言語化する
・簡潔に言語化する

最初はこのノートの構成ごと真似してみるのも良いと思います!
特に中学生はこの勉強ができるかどうかで10~20点ぐらい余裕で変わります。
是非参考にしてみて下さい!