今回はケアレスミスのお話です。
「ケアレスミスさえなければあと20点も取れたのに…」
勉強してると誰しも遭遇する悲劇ですよね。
僕も過去に何度涙をのんだことか…。
そして、このセリフを言う生徒の大半は
「次は気をつける!」

とも言ってます。
まぁ「ケアレス=注意不足」ですから、
「注意しよう!」
って話になるのは自然な気もします。
でも、気をつけるって何に?どうやって?
実は、ケアレスミスをただの注意不足と捉えていては、なかなかミスは減りません。
ケアレスミスにも必ず理由があります。
この記事ではケアレスミスの原因をしっかり言語化し、
その対策をレベル別に4つ紹介します。
どれも僕が実際の指導で話していることです。
指導のときは僕が生徒のレベルを見て話の内容を変えていますが、
今回は目安として
中学生ならLv.2まで、
高校生ならLv.4まで意識してみてください。
Lv.1 ケアレスミスはどうせする
いきなり身も蓋もないというか、
ケアレスミス対策ではないことを言って申し訳ないですが、
あなたはどうせミスをします。
だから、ミスをしないことを目指す前に、
ミスをしても目標点が取れるような勉強をして下さい。
僕は目安として10点分までは覚悟しておくべきだと伝えています。
例えばテストで70点を取りたいなら、80点が取れる実力が必要だということです。
普段から目標+10点を取れるような計画を考えておきましょう。
Lv.2 頭に余白をつくれ
ケアレスミスはメモリ不足で起こる
ここから真面目にケアレスミスの話をしましょう。
まずはケアレスミスの原因を理解して下さい。
ケアレスミスの原因の大半は容量(メモリ)不足です。
頭には容量があります。
正確にはワーキングメモリというんですが、
なんとなく容量があるってことは感覚的にわかると思います。
一つのことや、簡単なことを考えている時は頭に余白があって、
例えば人から話しかけられたりしても余裕をもって応えられます。

でも、複数のことや、難しいことを考えていると頭に余白がなくなります。
ここで人から話しかけられたりすると
いやちょっと今は待って!!

って感じになりますよね。
テスト中も同じです。
・試験時間
・難しい問題
・複雑な計算
などで頭がいっぱいになります。
そして、メモリに余白がなくなると人はエラーを犯しやすくなります。
ほとんどの生徒は反復が足りない
つまり
ケアレスミスを減らすには頭のメモリに余白をつくればいい
ということになります。
そのための方法の一つが反復です。
すごく当たり前の方策に感じるかもしれませんが、
多くの生徒はこれが足りていません。
その理由はたぶん、
「解ける」
ことをゴールにしてしまっているからです。
「この問題は解けた(正解した)。だからOK。次の問題へ」
こんな考え方で勉強していては、容量はいつまでたっても圧縮されません。
「解ける」ではなく
「楽に解ける」に
と僕は普段伝えています。
たいていの問題は、一度学習した直後ではまだスムーズにはできないと思います。
所々で手が止まったりしますよね?
そうではなく、手が止まらず、スムーズに解けるようになるところまで練習しておく。
そうすることでその問題の容量を圧縮することができます。
反復するときの意識
「反復が足りない」
と書きましたが、実際は
反復の回数は足りているけど、やり方が良くない
というケースもあります。
反復練習は普通にやってはダメです。
「もっと速く!」と自分を焦らせながらやるのがポイントです。
計算なら手が止まらず、1秒でも速く答えを出せるように。
英単語なら見た瞬間に意味が言えるように。
筋トレと同じです。
自分にとってしんどいフォーム、
自分に負荷がかかるフォームをあえてやる。
(計算の場合、あえて暗算で頑張ってみるのも良い方法です)
これは意志力の話。
だからこそ、差がつきます。
ただ指導者に課された勉強を義務としてこなしている人は、あえてしんどいことをしようとは思いません。
ちゃんとその勉強をする意味を考えて、義務ではなく、自身の成長のために勉強できている人は、あえて自分に負荷をかけることができて、その分高い効果を得ています。
上級者のプレーを見る
最近はYoutubeなどで問題を解いているところを実況している投稿があります。
数学や理科、社会の問題を解いていたり、
英語や国語の文章を読んでいたり。
授業動画ではないので、
解説は”頭の中で考えていること”を視聴者にわかってもらえる最低限にしているヤツです。
こういう動画はすごく有効です。
なぜなら、ただ勉強するだけよりも
「目指すべき姿」がはっきりするからです。
これはスポーツも同じですよね。
上級者やプロのプレーを見ることが推奨されるのは、
プレーイメージを頭に描いて、
それに近づくように練習する方が上達が早くなるからです。
「あんなふうに解きたい」
「あんなふうに読みたい」
というイメージがつくだけでも反復練習の効果が違ってきます。
ちなみに、僕はたまに生徒が解いている問題を隣で暗算して見せたりします。
半分は遊び心というか、パフォーマンスなんですが、
もう半分はこの効果を狙ったものです。
たいてい
「この問題ってそんなスラスラ解けるの!?」
「この問題暗算でできるものなの!?」
みたいなリアクションになります。
この驚きが大事で、感情を伴って知ったことは頭の中を上書きしてくれます。
地味なワンシーンですが、こういうのもプロが指導する意味かなって思って取り入れています。
シミュレーションを活用しよう
反復はたしかに有効です。
でも、高校生ぐらいになると
「そんなことやってる時間ない」
と思いますよね?
高校生に出題される問題は1問20分とか普通にかかりますから、これを3回復習するとしても1時間かかってしまいます。
そういう時にオススメなのが
「頭の中だけで復習する」
という技術です。
数学なら、問題を見て解法の流れだけを頭で再現してみて下さい。
もちろん、数値計算をするのは不可能なので、流れだけでOKです。
「この問題は平方完成をしてグラフを描いて、頂点と範囲の位置関係によって場合分けして…」

って感じです。
紙に解くのに15分かかる問題でも、解法の流れを頭で再現するだけなら1分で済むことが多いです。
この方法を僕は勝手にシミュレーションと呼んでいます。
名前は造語ですが、数学が得意な人なら、教わらなくても無意識に体得している学習法のひとつです。
こうやって「頭の中で再現する」を反復していると、最初はつっかかりながらだったのが、だんだんスムーズになっていき、最終的には何のひっかかりもなく、スムーズに思考が流れていくようになります。
この抵抗感、摩擦感のなさを感じるのが重要です。
ちなみにこれは「数学B-漸化式の学び方」という記事で紹介した「自動化」という状態のこと。
こちらの記事も参考にしてみてください。
数学B-漸化式の学び方数列って好き嫌いが分かれる単元ですよね。「これはめっちゃ好き!」って言う生徒もいれば「数列だけは無理」っていう生徒もいます。
Lv.0 そもそも本当にケアレスミスなのか?
ここで急にLv.がゼロになりました。
前編を締める前に、そもそものところで気をつけて欲しいことがあります。
生徒たちのテスト分析を見ていると
「ケアレスミスって言ってるけど、それ単純に理解不足じゃないの?」
というケースもかなりあります。
というのも人間って、なぜか答えを見てみれば
「あ、それなら知ってたわ」
「あ、その計算ならできるわ」
って思うものです。
で、知ってたことだから
「きっとこの問題はケアレスミスで落としたんだろう」
ってことにしてしまいがち。
でも
試験中に正しい判断ができなかったということは、
わかっていないということです。
数学なら、なぜその計算なのかを理解していないから
「この問題はこの計算で解けばよい」
という判断ができません。
社会なら、言葉の意味を正しく理解していないから
「この問題の答えはこれだ」
という判断ができません。
その判断をするところまで含めて学力です。
ケアレスミス対策をする前に
自分の弱点は本当にケアレスミスなのか?
実は理解不足なんじゃないのか?
改めて振り返ってみて下さい。
前編のまとめ
ここまでLv.0からLv.2の、3つのポイントを見てきました
Point
① そもそもケアレスミスなのか疑う
② ミスする前提で+10点を狙う
③ 反復で頭に余白をつくる
このうち「対策」と呼べるものは反復ぐらいだし、
つまらない内容に感じるかもしれません。
後編ではちゃんとテクニック的な話をしています。
でも、基本になるのは上の3つだと思ってください。
ケアレスミスの原因は、テクニックよりも「甘さ」です。
理解の甘さ。
目標設定の甘さ。
反復の甘さ。
この甘さを消す前に、裏ワザを求めるようにテクニックだけ身につけても、きっとケアレスミスは減りません。
まずはこの記事の内容
(といっても、反復だけでも結構深かったと思います)
をしっかり身につけて、後編の内容に進んで下さい!