単語テストの前の日、ノートに同じ単語を10回、20回と書く。
書いているときは覚えた気がするのに、テストでは書けない。
意味は分かるのに、つづりが出てこない。
あるいは、1週間後にはきれいに忘れている。
心当たりがある人は多いと思います。
「自分は暗記が苦手なんだ…もっと書かないと…」
多くの人がこう考えます。
でも、英単語が覚えられない原因は、記憶力でも書く回数でもないことがほとんどです。
原因は、頭の中で単語をどう「つないで」いるか、つまり覚え方そのものにあります。
この記事では、英単語が覚えられない人と覚えられる人の頭の使い方の違いを解説します。
また、教室で使っている「音で覚える中学英単語」を紹介して、他の単語帳との違いや正しい覚え方を紹介します。
覚えられない人は「意味」と「つづり」を直接つなごうとしている
英単語が覚えられない人の頭の中では、たいていこんなことが起きています。
机 = desk
日本語の意味と、英語のつづりを、そのまま結びつけようとしているのです。
「机はd・e・s・k」と、アルファベットの並びを丸ごと覚えようとする。
これは、意味のない記号の列を覚えるのとほとんど同じです。
desk のように4文字ならまだなんとかなりますが、単語が長くなるほど、数が増えるほど、苦しくなっていきます。
何度も書いたり読んだりしているのに頭に残らないのは、努力が足りないからではなく、手がかりのないものを覚えようとしているからです。
覚えられる人は、間に「音」をはさんでいる
一方、英単語がすっと覚えられる人は、頭の中で2つのステップを踏んでいます。
机 → デスク → desk
まず「机はデスク」と、意味と音を結びつけます。
これはそんなに難しくありません。「デスク」という言葉は、聞いたことがある人も多いはずです。
次に「デスクとつづるなら、desk だろう」と、音とつづりを結びつけます。
デ→d・e、ス→s、ク→k。
音を手がかりに、つづりを組み立てているのです。
このやり方なら、アルファベットの並びを丸ごと覚える必要はありません。
音さえ分かっていれば、つづりの大部分は自分でつくれます。
覚えなければいけないのは、音からは決めきれない一部分だけ。
覚える量がぐっと減るうえに、忘れかけても音から思い出すことができます。
英語を見たときも同じです。
desk を見たら、まず「デスク」と読む。それから「机」と意味にたどり着く。
desk → デスク → 机
英語→日本語でも、日本語→英語でも、いつも間に「読み」をはさむ。
これが、英単語を覚えられる人の頭の使い方です。
つづりは「覚える」ものではなく「つくる」もの
でも、英語ってつづり通りに読まないことも多いよね?
と思った人もいるかもしれません。
たしかに、英語のつづりと音の関係は、日本語のかなほど単純ではありません。
ただ、でたらめでもありません。
同じ音になるつづりには、ある程度決まったパターンがあります。
たとえば、cake・name・make は、どれも「エイ」の音を a と最後の e で表しています。
この「a+子音+e で エイ」というルールを知っていれば、gate も late も、初めて見ても読めるし、聞いて書くこともできます。
つまり、つづりは丸ごと暗記するものではなく、
音からつくる+足りないところだけ覚えるもの
です。
ルールで説明できない例外もありますが、それは例外としてまとめて覚えればいい。
全部を一つひとつ覚えるのとは、負担がまるで違います。
ふつうの単語帳と「音で覚える中学英単語」のちがい
では、なぜ多くの人が「机=desk」型の覚え方になってしまうのでしょうか。
理由の一つは、教材の並べ方にあります。
よくある単語帳は、よく出る順や教科書の順、テーマ別(食べもの、家族、学校など)に単語が並んでいます。そして左に英語、右に日本語。
この形だと、目に入るのは「英語と日本語のペア」だけです。
音とつづりの関係は、自分で気づかないかぎり見えてきません。
結果として、ペアを丸ごと覚える練習になりやすいのです。
教室で使っている「音で覚える中学英単語」は、並べ方がちがいます。
同じ音になるつづりごとに、単語をまとめています。
ページごとに練習する音のつづりが決まっていて、そのつづりは赤い文字で示しています。
全体は6つのテーマに分かれています。
- 短母音
- 長母音
- 2字母音
- 子音ダイグラフ
- r統制母音
- 例外パターン
名前は難しそうですが、中身はシンプルです。
「この音はこう書く」というまとまりを一つずつ身につけていき、最後にルールに当てはまらない単語を例外としてまとめて確認する。
単語を一つずつバラバラに覚えるのではなく、音とつづりのルールごと覚えていく教材です。
正しい覚え方:守ってほしい3つのこと
音で覚えるために、練習のときに守ってほしいことは3つです。
Point
- 声に出して読む
- テストでは、かならず読みを先に書く
- つづりは丸ごと思い出そうとせず、読みから推測して書く
1. 声に出して読む
単語のリストは、黙って眺めるのではなく、声に出して読みましょう。
そのページの赤い文字が、どんな音になっているかを意識しながら読むのがポイントです。
音とつづりのつながりは、目で見るだけより、口と耳を使った方がずっと残ります。
2. テストでは、かならず読みを先に書く
単語テストでは、英語・読み・日本語の3つを書きます。たとえばこうです。
| 英語 | 読み | 日本語 |
|---|---|---|
| desk | デスク | 机 |
英語→日本語のときも、日本語→英語のときも、真ん中の「読み」をいつも先に書きます。
「机」を見たら、まず「デスク」と書く。それから desk を書く。
面倒に感じるかもしれませんが、この一手間が、頭の中に「音の通り道」をつくります。
3. つづりは丸ごと思い出そうとせず、読みから推測して書く
日本語→英語で書くとき、つづりを丸ごと思い出そうとしないでください。
書いた読みを見ながら、「この音なら、このつづりだろう」と推測して書きます。
間違えてもかまいません。
間違えたところこそ、音からは決めきれない「覚えるべき部分」です。
そこだけを覚えればいいのです。
逆に、推測せずに「思い出せない、分からない」で止まってしまうと、いつまでも「机=desk」型の覚え方から抜け出せません。
教室ではこうしている:「音で覚える中学英単語」の進め方
教室では、この教材を次の順番で進めています。
1回の目安は30分ぐらい。「解説&リスト」1ページと、その単語テストで1セットです。
- 解説&リスト(1項目=1ページ):上の解説で、つづりと音のルールを読みます。下のリストの単語は、赤い文字の音を意識しながら声に出して読みます
- 単語テスト(項目ごと):英語→日本語と、日本語→英語の両方をテストします。読みを先に書き、つづりは読みから推測して書きます
- 確認テスト(テーマが一通り終わったら):テーマごとに、出る単語がちがうテストが7種類あります
確認テストで大事なのは、テストに出た単語だけを見直して終わりにしないことです。
そのテーマのリストを、もう一度ぜんぶ確かめておきましょう。
テストは「どこが身についていないか」を見つけるためのもので、点数を取ることが目的ではありません。
塾生のみなさんは、このプリントを自分で印刷できるソフトを、ウェブ上で使えるようにしました。
使い方はLINEでお知らせしています。
家で進めるときも、上の3つのポイントは同じです。
まとめ
Point
- 英単語が覚えられないのは、記憶力のせいではなく、意味とつづりを直接つなごうとしているから
- 覚えられる人は「机 → デスク → desk」と、いつも間に音をはさんでいる
- つづりは丸ごと覚えるものではなく、音からつくり、足りないところだけ覚えるもの
- 練習では、声に出して読む・読みを先に書く・つづりは推測して書く
書く回数を増やす前に、まず「読み」を通ること。
それだけで、英単語の覚え方はがらっと変わります。